「エサレンマッサージとは何か」
エサレンマッサージとは何か。その答えは決まった一つのものではなく、教える先生や実践しているプラクティショナーによってさまざまです。私が考える一番基本的で且つ簡潔な答えは「(アメリカにある)エサレン研究所で生まれ育ったマッサージ」ですが、もう少し掘り下げていろいろな視点から説明したいと思います。
・テクニック面
オイルマッサージで、全身を繋げてマッサージしていくロングストロークが大きな特徴です。ゆったりとした波のリズムで、触れ方は優しく丁寧です。
・感覚面
体が緩むことで心も緩むような施術で、心身ともにリラックスできます。日常のストレスや不安から解放されるようなひと時であってほしいと思っています。
・効果面
エサレンでは「肩コリに効く」というような治療面は主な目的ではありません。その人が(心身ともに)本来持っている力を取り戻せるようなお手伝いを心掛けています。
・思想面
アウェアネス(気づくこと)、プレゼンス(今、ここにいること)、統合(心や体などを一つであると感じること)など、精神的な思想観も取り入れています。
・エサレン研究所との関係面
エサレン研究所は、人間性回復運動(その人が持つ本来の力をどうしたら取り戻せるか)を探求する場としてできたリトリート施設です。その要素がマッサージに取り入れられてエサレンマッサージはできていきました。例えば、トラウマを負い人間不信になっている人に、どうすれば人の優しさを受け入れてもらえるようになるか。エサレンマッサージはそういう視点を持っています。
そして研究所は、未知なものを取り入れ、新しいものを生み出す場でした。エサレンマッサージもそうであり、例えば、世界各地のマッサージテクニックやボディワーク、エネルギーワークや心理学など、従来のマッサージとは違うものを取り入れ組み合わせていきますが、その自由さがエサレン(研究所、マッサージ)らしさであります。
・ちなみに、
日本ではマッサージは「あん摩マッサージ指圧師」が行う医療行為とされています。非有資格者が行う場合、その行為との誤解を防ぐため「エサレンボディワーク」と表現することもあります。
(2025年5月2日投稿)

(以下2024年2月25日投稿)
私は2011年にエサレンマッサージの資格を取り、それから13年が経ちます。長く続けてはいますが、それでも(それなのに)「エサレンマッサージとは何なのか」という問いに悩むことがあります。そこで、プラクティショナー(エサレンマッサージ資格認定者)の友人3人と会い、それについて話をしてきました。
「エサレンマッサージとは何か」という答えにはいくつもの視点があります。ロングストロークなどの技術的な点、エサレン研究所という生い立ちなどの歴史的な点、そしてその人が思う個人的な点などです。
あれこれと皆の意見を聞き、その時に出た個人的な結論は「気づき(アウェアネス)」でした。
気づきとは、今の状態に気づくこと。それは心も体もですが、今の状態に気づき、何か必要なことがあればそれを行っていく。エサレン「マッサージ」ですから筋肉を緩ますなどの肉体的なことが多くはなりますが、もし「安心」を必要としているのなら、それを感じてもらえるようなことを行うなどもするでしょう。何に重きを置いて行うかによって、通常の筋肉的なマッサージになったり、精神的なマッサージになったりもします。
エサレンマッサージがよくわからないと言われるのは、こういうふうにその場合によっていろいろと変わるからでしょうが、それも「気づき」という点で説明ができるかなと思います。
どうでしょうか。
なお、この考えは、私が「今」思っていることであり、エサレンマッサージプラクティショナー共通のものではないですし、もしかしたら私も時間が経てば考えが変わるかもしれません。