『だらしない夫じゃなくて依存症でした』

だらしない夫じゃなくて依存症でした』(三森みさ:著)を読みました。
https://bookpub.jiji.com/book/b496582.html

厚生労働省監修のもとで作成された依存症啓発のマンガで、以前は全編無料でウェブ上で見られましたが、現在は第三話までこちらで読めます。
https://note.com/mimorimisa/n/n396ee8fd3891

深く考えさせられる内容でした。アルコールに依存する夫とそれに苦悩する妻との話ですが、依存者とその家族の両者からの描写が、どちらの立場も理解できるしどちらも辛いことだと感情を移入させながら読んでいました。

お酒をストレス発散の手段として飲む人も多いと思います。飲みたいからというより、酔いたいから飲む。もちろんある程度で抑えておけば問題はないのでしょうが、問題となるストレスの要因を対処しないで酒で気を紛らわすような飲み方を続けていると、アルコールの持つ依存性で気晴らしのつもりが依存症になってしまうこともあるのはみなさんもご存知かとは思いますが、その“罠”に嵌ってしまうのはつらいことです。

アルコール依存症になってしまった人に対して、自己責任だと言いたくなるのはわかります。自分を律することができなかったからなってしまったのであり、それで人に迷惑をかけていいわけではないし、自分が嫌な目に遭っても自業自得です。しかしなりたくてなったわけではないのです。何かしらのトラブルを抱えているのにそれをうまくこなせず、結果としてアルコール依存症になってしまった人に対して、周りは冷たく突き放すよりはその解決の方法を見つけてあげるような世の中であってほしいと思っています。

そのためにはこの本は役に立つと思います。自分にはアルコール依存症は関係ないと思う方でも、その仕組みを知っておくのは無駄にはならないと思います。この本はマンガで読みやすいので、よければ読んでみてください。