交換セッション -エサレン研究所・CA旅行記(7) -エサレン編

ワークショップでは受講生同士がペアを組んでマッサージの練習をするのですが、印象に残るパートナーがいました。その彼女について書こうと思います。

彼女はかなりの大柄です。

日本人にはなかなかない大柄の体格なので、アメリカならではの経験ができると喜んでペアを組みました。

彼女とのセッションを始めると、普段以上にある脂肪をかき分けながらストロークすることになりました。

片手で脂肪を持ち上げて、もう片方でストロークをするという感じです。

いつものところに同じもの(筋肉や骨)がなかったり、

逆にやっぱりいつもと同じところに同じものがあったりと、

なんだか宝探しをしているみたいに楽しんでいました。

彼女の体で気になることがありました。

皮膚がかなりたるんでいるのです。

急激に痩せたのでしょうか。

心を込めて、丁寧に大切に施術をしていました。

大切に施術をしているのですが、なんだかちょっと悲しい気持ちが伝わってきます。

「大丈夫だよ」と心で思いながら、優しくそれを返していました。

セッションが終わって、彼女は「とてもよかった。とても安心できた。」と言ってくれました。

そう言ってもらえるのが、僕もとてもうれしいです。

皮膚について彼女に話を聞きました。

元々は70キロぐらいだったのが、薬の副作用が原因で200キロくらいになり、100キロの減量をして、今は100キロになったそうです。

きっと彼女は、太ったことでいろいろと辛い思いをしてきたんだろうなと思いました。

世間の人は、太った人に対して「怠けてる」「食べ過ぎ」「動かない」と本人を悪く決めつけがちですが、中にはどうしようもない理由で太ってしまったり、努力しても改善できないで苦しんでいる方もいます。

彼女はそういう偏見と闘ってきたんだろうなと思い、急に悲しい気持ちになってきました。

セッションの最後は優しくハグをして終わったのですが、この話を他の日本人参加者に話したら、「それは彼女じゃなくて、自分の気持ちが彼女に投影されて出てきたんだよ」と言われました。

あ、そうか。

確かにそうかもしれません。

私は(腹は出てるものの)肥満という訳ではないですが、何かしらで(意識的にせよ無意識にせよ)世間の偏見と闘いながら頑張っているのかもしれません。

そして、それを誰かに認めてもらいたかったのかもしれません。

セッションで、彼女が自分の鏡になってくれたのかもしれません。

そう思うと彼女へ感謝の気持ちがさらに湧いてきました。

良いセッションをさせてくれてありがとう。