『3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」』

去年の秋に参加したアドラー心理学の講座がとてもよかったので、これからも学びを続けていこうと、パセージというアドラー式育児方法の講座を申し込みました。しかし今回のコロナの緊急事態宣言で中止となってしまい、主催者がそのお詫びで(主催者がお詫びをする必要もないのですが)本を贈ってくださったので、それを読みました。

3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」
著/清野雅子、岡山恵実
https://www.shogakukan.co.jp/books/09311420

そもそもですが、私には子供はいないし今後も育児に関わることもないと思います。なので育児方法を学ぶのは自分には関係がないと抵抗があったのですが、本を読んでみたら全然そんなことはなく、自分にも必要な内容でした。

育児は親が子供にきちんと育って欲しいと願ってするのでしょうが、なかには子供の成長よりも親の都合の為にしていることもあります。例えば、アレをしなさい、コレをしてはいけないと言うのは、子供が自分で考えたり行動したりする機会を奪って、親にとって都合の良い方法を押し付けていることであったりもします(もちろんそうではない場合もありますが)。

パセージでは、子供は自立の術を学び、親はそれに貢献することで、お互いに幸せになれる、そんな育児を目指しているようです。そのためには、まず親子が素直に思っていることを言い合える良い関係になり、子供の問題は子供自身が解決できるよう(親の問題は親が解決できるよう)に、協力して問題解決の方法を探っていくというプログラムで、この本にはそれがステップごとにわかりやすく書かれていました。

アドラーでは、子供も大人もできる能力に差はあっても対等な関係なので、相手が子供であっても尊厳をもって接するべきだとしています。大人も子供も同じ、ということは、育児の方法でありつつも、それは親→子という関係だけでなく、大人→大人という一般の人間関係にも当てはまることばかりです。家族や会社や友人などの大人の人間関係でも使える内容だと、読んでいて思いました。