「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」

「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」(著: 鴨志田穣)を読みました。
https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000205399

戦場カメラマンの鴨志田穣による自伝的小説。(元)妻は漫画家の西原理恵子さん。

主人公は重度のアルコール依存症で、何度も治療を受け断酒を試みるも再発を繰り返し、最終的には身体を壊して、という内容です。

今までいくつか依存症関連の本を読みましたが、今のところこれが一番心に残りました(というか、引っかかった)。

懲りない依存症者に対しては、残念ながら自業自得ですとしかいいようがないのですが、原因が過去の生い立ちやトラウマにあることも多く、本人だけが悪いと言い切れないことも多い。

本人は止めたかった、けどできなかった。本人が強い意志を持って、専門的な治療を受けても、治らない。頭では飲んではいけないとわかっていても、また飲んでしまう。

依存症は難しいですね。

依存対象(酒)はあくまで手段であって、根本には生きづらさの間違った解消法が依存症に繋がったと、素人ながらに考えます。本人の持つ生きづらさを少しでも減らしていければ、酒への依存も減っていくのではないかと思いますが、依存症が進行してからではそれも難しいのでしょう。そうなる前に何かしらできることをしたいものです、当事者も周囲も。